小さな宿で、秋の味覚と女子会

2016年9月12日
 初秋の週末、緑豊かな福島県磐梯熱海を訪れた。たっぷりの花や庭の緑、せせらぎの音、季節の美味しい料理が自慢の小さな宿に宿泊した。昔の仲間、女ばかりが八人集った。わいわい、きゃあきゃあ、時にしんみり真面目な話もして、心から寛ぐことが出来た。泥染め大島紬に身を包んだ姉御肌の友人、超高級車の買い換えで盛り上がる独身貴族、大学生活を謳歌する子ども達の素敵なママ・・・みんな元気に人生を謳歌しているようだった。
 恋バナよりは、親の介護や老眼対策で盛り上がることが多い今日この頃だ。ところが今回は、何と二人の女性から恋バナをたっぷりと聴くことが出来た。久しぶりのこんな話、質問攻めである。今ひとつ、結婚を決意しない男性の攻略法や、桃の果樹園での婚活パーティ。そんな話で大盛り上がり。久しぶりに他人の恋愛話で、楽しく過ごすことが出来た。美人の湯で名を馳せる磐梯熱海、みんなさらに美人になって、幸せになること間違いなしだ。
 宿の夕食は、とても素人には作れないような手の込んだものばかり。秋野菜、栗、鮭、満月を模したムース、上品なスペアリブの煮込み・・・器もどれも美しい。お腹がはち切れそうなほどの食べて、みんなですぐにバタンキュー(死語?)。お腹も心も満ち足りて、それぞれの幸せを喜び合った。また、次回を楽しみにしよう。

照月の夕食2

同宿の過去記事
美人の湯 磐梯熱海

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京都 感動の旅3 高台寺

圓徳院
2016年6月21日
 大河ドラマ、「真田丸」に出演する鈴木京香さんのねね(北の政所)が素敵だ。その昔、佐久間良子が演じた「おんな太閤記」のねねも素晴らしかったが、それを参考にしたと聞く京香ねねも負けてはいない。おっとり穏やかでありながら、しっかり者。そして、茶々(淀君)はじめ、あまたの側室と秀吉との関係に複雑な表情を見せる京香ねね。三谷幸喜さんから10キロ太って、恰幅よくみせるよう言われたらしい(真田丸HPより)。この宮城県が誇る大女優、同じ三谷幸喜作品で、織田信長の妹であるお市の方を演じたこともあるが、市よりもこのねね役が共感できるという。私も日本史に出てくる女性の中では、額田王に次いでねねが好きだ。ねね縁の高台寺は、紅葉の時季のライトアップ催事を始め、なんどか訪れている好きな寺の一つである。今回の京都旅でも、雨にぬれる高台寺を、ねね、そして茶道への思いを新たにしながら訪問した。
 高台寺 開山堂と庭園 高台寺 傘亭 高台寺 竹林
 開山亭と庭園、千利休デザインの茶室である傘亭、涼やかな竹林
 秀吉亡き後、ねねは家康の保護を受け、この高台寺を創建した。秀吉が去った世に、その妻ねねは、次世代の天下人について、どう考えどう行動したのだろうか。多くの武将に慕われた人柄と言うが、慕わしいだけで家康の財政援助を受けられるはずもない。美しく華やかなこの高台寺を訪れて、政治的なセンスも秀でていたのだろうと思わずにはいられない。
 
 続いて、高台寺塔頭である圓徳院にも足を運んだ。高台寺のすぐ前にある、ねねが亡くなるまで暮らした塔頭である。
 圓徳院 北庭 圓徳院 美意延年
 伏見城から運ばれた、諸国自慢の石たち、そして木々の緑が美しい圓徳院の北庭。解説の女性が、「雨の日にこそ、石がしっとりと濡れて美しく、木々の緑も冴え渡ります。雨の日に来て下さって、ありがとう」と笑顔で語る。一時大雨で、ずぶ濡れのまま訪れたことが、何とも嬉しく感じられた。掛け軸「美意延年」とは、心配事なく楽しい気持ちで過ごせば、長生きできる、という意味のことば。私には、信念といってもよい大切な意味だった。動乱、あるいは多くの喪失を伴う困難な状況で、そんな風に思えるようになるには、どんなにか大変なことだろう・・・けれども、多くの人々は、そんな心持ちになり、困難と共にゆったりと生きることができる。動乱を乗り越え、粛々と生きた結果、案外と長い時間が過ぎ去っているものなのだ。ねねの生き方も、結局は構えず、おおらかに日々を過ごした結果。そんなものだったかもしれない。

 そして、ここで楽しみにしていた「献茶手前」で抹茶を味わった。
圓徳院 献茶手前 献茶手前 茶筅
 お茶に埃等が入らぬよう、扇子で覆い、茶器を出す。茶筅は不思議な形で登場。
献茶手前 点てる 献茶手前 頂戴します
 高台のまま、お茶をたてる。そして、最初の一口は、高台ごと押し頂く。二口目からは、茶碗のみでいただく。・・・そんな献茶手前。秀吉が、千利休亡き後、わびさびとは違う、武士の志や面白さを表現できる茶道を求め、古田織部に命じて考案させた手前とのこと。非常に興味深かった。お菓子もしっとり、美味でした。
 じっくりと、ねね縁の寺を堪能した。高台寺蒔絵、長谷川等伯の障壁画など、日本美術愛好家として味わい深い作品も多数ある。ドラマ真田丸も、これから豊臣滅亡に向けて佳境に入るだろう。動乱の世に、賢く生ききった女性。ますます思いを馳せることが出来そうだ。

*ねね、おね、寧など、様々な名で呼ばわれる北の政所。私には、娘時代から呼ぶ「ねね」が、最も愛すべき名。従って、ここでは「ねね」と統一した。

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京都 感動の旅 2 大原 三千院

三千院 庭
2016年6月20日
 京都二日目。仕事関係の学びの機会だったが、行動を共にする悪い姉さん達が「国際会館からだと、大原が近いわね~」と呟く。結局、朝から大原三千院に向かうことに・・・。こんなはずではなかったのに・・・。はてさて、晴天の土曜日、輝くような美しい庭に親しむこととなった。大原といえば、有名なデューク・エイセスの哀歌、”女一人旅”を思い出す。ところが私たちと来たら、ずっと女三人で歌ったり、はしゃいだり、写真を撮ったり、土産屋で買い食いしたり。恋に破れた女が、しっとりたたずむような気配は皆無の旅となった。
 三千院には、聚碧園、有清園と、二つの庭がある。いずれも輝くように美しかった。
三千院 聚碧園
 こちらは客殿の前に拡がる聚碧園。丁寧に手入れされた低木、高木と池が印象的な、美しい心安らぐ庭。
三千院 イモリ 三千院のカエル
 池にはイモリ、カエルがのんびりと生息している。カエルが元気いっぱいに泳いだかと思うと、次はのんびりと池に浮かぶようにしてリラックスの表情を見せてくれた。こんなにカエルが目前に登場するのは珍しいとか。抹茶と美味しいお菓子をいただきながら、のんびりと眺めた。

三千院苔庭 三千院 アジサイ
 ビロードのような美しい苔が拡がる有清園。杉と紅葉の木立、苔が美しい。そしてアジサイ苑には、可愛らしく清楚なアジサイたち。
 
 ゆるやかに時間が流れる、山里の美しい寺院。元気いっぱいの女三人だったが、時々はしっとりとした時間を感じ、しばし言葉を失った。青蓮院門跡→過去記事京都 青蓮院門跡とともに、天台宗三門跡の一つである由緒正しく、格式高い寺院。美しい庭や建造物のたたずまいに、、気高く生きる品格を感じさせる寺社だった。
 さて、われわれ俗人といえば、忙しく働く世代でもあり、昼食のあとは、しっかりとシンポジウムに合流。短時間集中型で、沢山の課題に対する新たな知見を得た。目の前にある課題を、ひたすら、粛々とこなし、疲労困憊の毎日だからこそ、この閑静で美しい庭のありがたさがよくわかった。

テーマ : 歴史・文化にふれる旅
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京都 感動の旅 1

大徳寺聚光院入り口
2016年6月19日
 仕事上の会合が京都で開催され、その合間(?)に名所巡りを楽しんだ。今回のテーマは、主に茶道ゆかりの地を訪れること。禅の教え、歴史に生きた人々の様々な思い、そしてみどりが輝く美しい風景・・・また京都でたくさんの感動を経験した。
 金曜午前に仕事上の用事を済ませ、早速まずは大徳寺に向かった。たまたま用事のあった国際会館から、最寄り北大路駅までわずか3駅。事前に特別公開中の大徳寺塔頭、聚光院の拝観予約をしていた、ぬかりない私・・・(夫から何度も「本当に仕事なの・・・?」と訝しげに言われた・・・)大徳寺は、千利休と縁が深い禅宗の寺である。なかで聚光院には、千利休の菩提寺であり、今年創建450年という。これを記念して行われる特別拝観で、狩野永徳、千住博画伯の新旧襖絵を鑑賞するのが今回の旅、一番の目的だ。→大徳寺 聚光院 2016年特別拝観 ちなみに塔頭とは、大寺院のそばに寄り添うように建てられた小院のことである。
 永徳の父である松栄の襖絵、そして永徳の襖絵と、丁寧な解説を聞きながらゆっくりと味わった。いずれも国宝のすばらしさ。そして美術館でみるのではなく、四角い部屋をぐるりと囲む襖の絵として味わう贅沢さ。絵画がより立体的に見え、描かれた動物たちが生き生きと見えた。そして、永徳の筆致の素晴らしさといったら!躍動感あふれる襖絵から、彼がいかにエネルギッシュに生きたのかがわかった。小説「花鳥の夢(山本兼一著 文春文庫)」「等伯(安部龍太郎著 文春文庫)」で描かれる、いずれも人間くさい狩野永徳に魅力を感じている私としては、とても貴重な体験だった。動乱の安土桃山時代に生きる絵師の、躍動感あふれる襖絵は、同時に品格たっぷりの絵でもあった。
 対して、現代に生きる千住博画伯の滝を描いた襖絵。鮮やかな瑠璃色が印象的。そして、滝の水しぶきが白く襖を染めている。鮮やかさの中に、悠久に水が流れる無限の時間軸が描かれていた。感動的な時間だった。
 大徳寺には、他に多くの塔頭があり、織田信長や石田三成、細川ガラシャなどにも縁が深い。どっしりと根ざし、ごつごつと深く刻まれた木肌の松を見て、安土桃山の人々に思いを馳せた。
龍源院 龍吟庭 大徳寺 三玄院
左は公開塔頭の一つ、龍源院の龍吟庭。 右は、石田三成らが建立した塔頭、三玄院。
大徳寺 松と 大徳寺納豆 一久
左は大徳寺の松。 右、大徳寺前にある、大徳寺納豆の店。


狩野永徳 洛中洛外図屏風上杉本
狩野永徳 檜図屏風
京都に行こう③智積院と長谷川等伯

テーマ : 歴史・文化にふれる旅
ジャンル : 旅行

遠刈田温泉 公共の湯 神の湯


 2016年6月8日
 宮城県遠刈田温泉の公共の湯に出かけた。310円という安価で温泉に入れる。周囲の温泉旅館にはよく行くのだが、それゆえ、この公共湯になかなか入る機会がなかった。建物外の足湯は楽しんだことがある。(写真、左手)→過去記事 遠刈田温泉 足湯今回は、初めて身体全体、たっぷりと浸ることが出来た。
神の湯全景 神の湯梁

 建物は比較的新しく、青森ひばがふんだんに使われた、のどかで風情がある浴場だ。薄茶色に濁った、身体に良さそうなたっぷりのお湯。浴槽はふたつあり、「熱い湯」「ぬるい湯」と大きく書かれている。本当は熱い湯には、45度前後の熱い湯が満たされているはずなのだが、この日は温度調整がいまひとつなのか、共に40度程度。かなり熱いと噂を聞いていて、戦々恐々としながらも挑戦を楽しみに出かけたので、ちょっとがっかり。でもポカポカとしっかり、ゆっくりと温まることが出来た。
 お風呂では、湯船に浸からずに、ずうっと話し込んでいるお年寄り達、家族連れで来ている人々、私のような女一人湯を楽しむ人など、気取らずに普段の生活の延長で訪れている感だった。失礼ながら、みんな寸胴の身体(私もだ・・・)、軽く日に焼けた肌。いかにも素朴な働き者と思わせる人ばかりが、たっぷりのお湯を楽しんでいた。まさに故郷のくつろぎを感じた。
 温泉を出たら、強烈な口渇感。温泉を出て、商店街に出ると、狙ったようにラムネが売っていた。即買い、即のみ。ぐびぐび飲んだら、そばにある玉こんにゃくがやたらと美味しそう!即買い、即食べ。するめと干し椎茸で味を付けた、自慢の玉こんにゃく。東北のお祭りや寺社巡りにはなくてはならない郷土おやつである。
玉こん
 お店の方は、温泉の定期券をお持ちだそうで、一月3000円で入り放題なのだとか。近隣の白石、仙台市民でも3500円で定期券が購入出来るそう。いつか購入してもよいかな、と思った。

テーマ : 温泉
ジャンル : 旅行

プロフィール

bordeauxlyon

Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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