京都に行こう① ご馳走新幹線

2014年10月31日
 今、京都に向かっている。仕事を終えてすぐに東京駅まで出て、新幹線に乗った。20時30分東京発ののぞみの席で、駅でたんまり買った食べ物を広げる。
 グランスタで五年連続一番の売れ行きというイベリコ豚弁当。カラフルなサラダを添えて、茶色いイベリコ豚に合わせ、目にも美味しい雰囲気にした。赤ワインとオリーヴ、チーズも揃えた。東海道新幹線にちなみ、富士山柄の手ぬぐいを敷いたら、なんだかブルーの座席とコーディネートしたかのような食卓。嬉しくなった。
 イベリコ豚はちょっと甘辛い。良い肉は塩胡椒で味わいたい私にはやや不満が残る味わい。だが白飯にたっぷりと乗っかる甘辛い豚肉は、一週間働いた身体にありがたく入っていった。彩り良いサラダはパリパリ美味しい。夜の新幹線は景色も見えなくて残念と思っていたが、意外に夜景も楽しくて気持ちが高ぶり、ワインも進む。スペイン特産のイベリコ豚、南仏の味付けのオリーヴ、フランス産チーズにオーストラリアのワインを楽しみながら、京都に向かうなんて、豊かな日本に生きる幸せを感じる。
 美味しい夕食を新幹線を楽しみながら、大好きな京都に向かう喜びを噛み締めている。




ワイン好きのお総菜⑯ 秋刀魚の地中海風

2014年10月29日
 秋の味覚の代表、秋刀魚。塩焼きも美味しいが、ロゼや軽い赤ワインにも合うようなレシピを開発中。ケーパーとオリーブ、アンチョビーを使ったソースでちょっと地中海風にしたら、ワインに合うお総菜となった。
 秋刀魚は頭とワタをとり、魚焼き器でこんがりとグリルする。ケーパー、グリーンオリーブをそれぞれみじん切りにする。アンチョビーペーストちょっぴりとレモン汁、オリーブオイル、カイエンヌペッパー(一味唐辛子でもよい)と混ぜ合わせる。焼けた秋刀魚にこのソースをかけてできあがり。この日は付け合わせにフェンネルの肥大した茎(燐茎)とミニトマトのソテーを添えた。秋刀魚の下にはフェンネルの葉をしいて、ちょっとおしゃれバージョンにした。
 付け合わせの赤と緑の色合わせ、そしてソースの複雑な味わいが、普段の塩焼きとは違うよそ行き感のある仕上がりとなった。ケーパー、オリーブ、アンチョビー、フェンネル。いずれも地中海沿岸を産地とする食材ばかり。この日はイタリア白ワインガヴィと合わせた。しっかりした白ワインにソースのオリーブ・ケーパー・アンチョビーがしっかりと負けずに存在する。秋刀魚のオイリーさをワインが洗い流してくれ、さっぱりさせる。南仏のロゼワインでもきっと同じ効果があると思う。地中海の旅を思い出して、ますます秋刀魚が美味となる。まあ、本当は塩焼きにレモンたっぷりが一番好きなんだけど・・。

秋刀魚の地中海風

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ジャンル : グルメ

カタルーニャの誇り ~ピカソの壁画とサルダーナ~ 

ピカソ壁画3

2014年10月28日
 さる10月25日はピカソの誕生日だった。パリのピカソ美術館はこの日改装オープンしたそう。さぞかし混雑しただろう。先日のバルセロナの旅で見たピカソの壁画を思い出した。バルセロナにもピカソ美術館はあり、そちらも楽しかったのだが、印象深いのはこちらの壁画だ。一見子どもの落書きのようなかわいらしい絵だが、構図も落ち着いているし、なにやら意味深いように見える。一本一本の線に生き生きとした力と自由さを感じる。ガイドブックを見ると「祭りの時に繰り出される巨大人形や、カタルーニャの民族舞踊サルダーナが描かれている」とある。なるほど、巨大人形と祭りを楽しむ人々の壁画のようである。これはカタルーニャ地方およびバレアレス諸島建築家協会の建物の壁画。三方全てにピカソの単純化された線で、踊りや祭りが描かれている。馬に乗り旗を持つ人々と、その周囲で音楽を奏でて喜ぶような絵も描かれている。カタルーニャの歴史の一幕だろうか。
ピカソの壁画 馬とか

 この建物は、丁度バルセロナのカテドラルの前にある。荘厳な教会はゴシック様式。外側も素晴らしいが、内部も素敵なつくりだった。中庭にはアヒルもいた。
 カテドラル
 カテドラル前の広場を日曜日に歩いていたら、ちょうど民族舞踊であるサルダーナを踊る老若男女があふれていた。集団で輪を作り、音楽隊の民族音楽に合わせてステップを踏んでいた。年配の方たちはゆっくりと、そろいのTシャツを着た子ども達は飛び跳ねるような軽やかなステップを踏んでいた。寄付金を集める人もいる。ちょっとでも寄付をすると丸いシールを胸に貼ってもらえ、一緒に踊ることができるそう。参加したかったが、ステップは結構難しそうで、あきらめた。子ども達の輪には、先生なのか、みっちりとステップの指導をしているような大人が付き添っていた。サルダーナを踊るのは年配の人が多いと聞くが、こうして民族の文化を伝承しようとする動きがあるのだろう。
サルダーナ大人編 (1)
サルダーナ子ども編

 ちょうど旅した数日前の9月11日は、カタルーニャの記念日だった。サグラダファミリア前には独立を求める人々が集まったとのことだ。その約1週間後、私がカテドラル前を訪れた日は、ピカソの描く単純化された絵の前で淡々と、穏やかにサルダーナが繰り広げられていた。ピカソは14歳から9年バルセロナに住んでいた。多感な時代にカタルーニャの民族意識、自立して生きることの尊厳、のようなことを肌で感じて成長したのではないか。絵と踊りから、静かながらもカタルーニャ民族の強い誇りを感じた。


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テーマ : 歴史・文化にふれる旅
ジャンル : 旅行

野菜作り 今年の成績

2014年10月27日
 この週末はポタジェの植え替えに精を出した。ポタジェとは花と野菜を組み合わせた花壇のことである。春から夏にかけて、ポタジェその1にキュウリとマリーゴールド、、その2にはミニトマトと紫蘇を組み合わせた。大収穫といって良い出来だった。そこを整備して、冬から春の野菜に植え替えた。苗を植えたばかりのポタジェは、まだまだ寂しく、夏に生い茂ったキュウリとミニトマトを懐かしく思い出した。
 春に野菜つくりで有名な、NHK「野菜の時間」講師である藤田智さんの話を聴いた。近所のホームセンターで講演会を行ったのだ(過去の関連記事→藤田智さんの野菜講座)。そのときに、家庭菜園での収穫合格点なるものを知った。キュウリは一株から30本、ミニトマトは一株から80~100個。その数を聞いたときは愕然とした。そんなにたくさん結実できないだろうと。
 だが、意外にも今年はすくすくと育ち、キュウリは二株から93本、ミニトマトも二株から167個収穫できた。一株あたりにすると、十分藤田先生の合格点を超えていた。嬉しかった。藤田先生が教えてくれたほど、肥料をあげたわけではない。摘心も結構いい加減で、伸び放題だった。だってすくすく伸びていく姿は本当にうれしくて、どこまで伸びるのか見たくなるものだから。決して教科書通りに育てたわけではないのだが、強いて言えば毎日激励の声をかけたことがよかったかもしれない。夫と二人で、「おお~、元気だね~」「頑張って伸びろ~」と毎日声をかけていた。これが良かったに違いない。
 収穫数を数えられるように、小さなシールをカレンダーに貼った。我ながらいいアイディアだったと思う。キュウリは緑、ミニトマトは赤いシールを収穫する度に貼っていった。このおかげでちゃんとカウントできた。今年いっぱいこの収穫数を誇ることができるよう、カレンダーを一部カットして、最後のページに貼った。7月以降、ずっとこの勲章を眺めながら過ごしている。来年も頑張ろうという気になる。
 

ミニトマトの数2014
キュウリのkazu2014

テーマ : 家庭菜園
ジャンル : 趣味・実用

コドーニュ ラべントス

2014年10月26日
 今年のバカンスで訪れたスペインのワイナリー、コドーニュ。楽しかった思い出だ。
過去の関連記事→極上ワイナリー コドーニュ
 昨夜はコドーニュのカヴァ、ラべントスをいただいた。グレープフルーツの皮のようなほろ苦さとしっかりした酸味がさわやかさをもたらす。色は淡いレモンイエロー。シュワシュワする泡も細かく、ずっと絶え間なく立ち上る。ボトルの形が面白い。ちょっと太めでゆがんだシルエット。アサリと大根のスパゲティ、ブリのグリルにトマトソースを添えたメイン、そしてこのスペイン旅からずっとはまっているシシトウのオリーブオイル揚げを合わせた。いずれにもよく合った。シシトウ揚げには本当にカヴァがよく合う。
 私がお昼寝をしている間に買い物に出かけた夫が、目覚めると冷蔵庫を開けるように促してきた。冷蔵庫に冷えていたのがこのコドーニュラべントス。偶然買い物に行った酒屋に置いてあったという。一緒に巡ったワイナリーを思いだし、楽しかったねといいながら夕食をいただいた。夫は立ち上る泡を眺めて、「細かい泡が途切れないね」と呟く。一人、酒屋で見つけて嬉しそうに買ったであろう夫の姿を想像すると、なんとも微笑ましくて、更に美味しく感じられた。 


コドーニュ

テーマ : ワイン
ジャンル : グルメ

金曜日のパスタ⑬ アサリと大根のスパゲティ

2014年10月25日
 冷蔵庫の食材が減った日に、災害用にストックしてあるアサリの缶詰を使って思いついたメニュー。可能な限り、野菜もレシピに加えたいので、冷蔵庫の余っていた大根も加えたら、なかなかよく合うコンビに仕上がった。
 大根少々は7~8ミリ大のさいの目切りにする。パスタを茹でるお湯で3分ほど茹でる。フライパンにオリーブオイルを熱してこの大根を炒めつつ、塩を加えたお湯でスパゲッティを茹でる。大根が柔らかくなったら、アサリ缶詰を加えてさっと加熱する。今日は冷凍してあった大根葉のみじん切りも加えた。ゆであがったスパゲティを加え、塩で味を調える。お皿に盛って胡椒、オリーブオイル、コリアンダーの葉をトッピングした。香草が苦手な夫にはこれはなし。
 大根とアサリの組み合わせは和食でも時々見かける。さいの目切りにした大根は、オリーブオイルとアサリの風味により、洋食にもあうおしゃれな野菜に変化した。缶詰の臭みはオリーブオイルと香草で消された。新鮮な魚貝が美味しいに決まっているが、定期的に災害用食材を使うことも、毎日の料理では大切にしたい。


これまでの「金曜日のパスタ」 
かぼすのクリームスパゲティ
キュウリと挽肉のピリ辛スパゲティ
トマトとツナの冷たいカッペリーニ
鶏挽肉のゆず胡椒風味スパゲティ
アサリとジャガイモ入りリングイネ ジェノベーゼ
危険な揚げナススパゲティ
つぶつぶ椎茸のスパゲティ
キャベツと牛肉のXO醤スパゲティ
トマトソースのパケッリ
ゴルゴンゾーラのミッレリーゲ
スパゲティカルボナーラ
ブロッコリのオレキエッテ


アサリと大根のパスタ

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テーマ : おうちごはん
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秘湯めぐり 奈良田温泉

2014年10月23日
 寒い。一気に寒さが強まってきたように感じる。こんな寒さを感じると、そこは日本人、やはり温泉に入りたくなる。地元宮城の温泉も捨てがたいが、幼少時から現在に至るまで何度も入っているので、ありがたみは少ない。これまでに出かけた温泉で最も印象的なのは山梨の湯「奈良田温泉http://www.nukuyu.com/shiranekan/」だ。ここは秘湯として知られ、お湯がしっとりやわらかなだけでなく、ちょっとぬめりがあり、入浴後は肌がしっとりすべすべになった。不思議なことに、天気や温度によってお湯の色が変わるそう。最近は塩素の臭いがする温泉だって珍しくないが、ここのお湯には日本の大地が作り出す素朴で不思議な力が宿っているようだった。
 一つの宿に行ったら、4回は湯につかりたい。そして多数の湯があるなら、全ての湯を体験したい。しかしこの日は到着が遅れたため(秘湯は遠くにあるものだ)、二つの内湯のうち一つは女性時間が過ぎていた。だがやはりもう一つの内湯だって入りたい。勇気を持って真夜中に友人と二人、こっそり「男性」と書かれた方の内湯に入ってみた。お湯は同じだったが、広くてずっと快適だった。幸い男性が真夜中に来ることはなく、スリルにあふれた楽しい思い出となった。
 連れて行ってくれた友人は、山登りや温泉が大好きな女性。彼女は秘湯巡りが趣味の一つで、この奈良田温泉は日本秘湯を守る会の宿だと教えてくれた。秘湯めぐりでスタンプ10個を集めると、秘湯を守る会の宿に一泊無料招待される。彼女はこの無料招待を一度活用したことがあるほど、秘湯巡りをしているのだ。 
 友人は最近実家のお父さんのため、介護休暇を考えているようだ。なにかと大変なことだろう。忙しかろうが、ちょっと時間を見つけてまた一緒に秘湯巡りをしたいものだ。友人の実家のある山形にも、私の故郷宮城にも秘湯を守る会所属の宿がたくさんある。たっぷりのお湯で暖まり、様々なストレスを洗い流したい。
 

奈良田温泉

テーマ : 温泉♪
ジャンル : 旅行

愛妻を失う哀しみ シャガール「結婚の光」

2014年10月22日 
 東京の国立新美術館で今、チューリッヒ美術館展を行っている。近いうちに行くつもりだ。朝日新聞の夕刊では毎日一つずつ作品を紹介してくれて、見たい気持ちが強まる今日この頃である。
 手持ちの美術書を眺めていたら、シャガールの「結婚の光」という作品が掲載されていた(週刊世界の美術館 NO84 チューリヒ市立美術館とビュールレ美術館 講談社 2001)。深海や夜の闇にも見えるウルトラマリンで包まれた結婚式の絵である。ぼうっとかすんでいるが、腕を組む夫婦の静かで幸せそうな姿が見える。シャガールは愛妻ベラとの幸せな色にあふれた絵も多く描いているが、この結婚式の絵は、静かな深い哀しみを感じさせる。この絵を描く前年に、シャガールはベラを失ったのだ。
 今日は親しくしていた方の悲報を受けた。体調を崩した70代の奥様は、いつも優しいご主人に見守られて生活していた。仲良しなんだからとからかうと、苦笑しながら二人で嬉しそうにしていた。足下がふらつく奥様と腕を組んで歩くようによくご主人に促したものだ。するとご主人は「仕方ないなあ」と苦笑いして、でも嬉しそうに腕を組んで歩いていた。微笑んでご主人を頼る奥様。そんな奥様が亡くなったのだ。どんなにかご主人は落胆しているだろうか。
 今日、このシャガールの「結婚の光」を見ると、妻に先立たれた男性の静かで深い哀しみがウルトラマリンの色彩に滲みでているように感じ、ことさらに胸を打たれる。それでも燭台による暖かいオレンジ色が、見る者の心に灯火を与えるようでもある。喪失は哀しい出来事だが、無ではない。愛する人と過ごした幸せな日々は、確かなものとして残された人の記憶に残るものだから。ゆっくりでも良いから、このご主人の心に暖かい光が灯されるよう願う。
 
 シャガール 結婚の光

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テーマ : 絵画・美術
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ワイン好きのお総菜15 生ハムと柿

2014年10月21日

 秋のフルーツが美味しい。そのまま食べるのも美味しいが、フルーツと生ハムを組み合わせるのも、ワインに合ってこれまた美味なもの。特に好きな組み合わせは、いちじく、洋なしのラフランス、マンゴーだが、この秋は柿と合わせるのにはまっている。ややしっとりというか、ねっとりした口当たりの甘みの強いフルーツが塩気のある生ハムと合う。
 柿を一口大にカットする。あれば種は取り除く。そこに生ハムを乗っけるだけ。いたって簡単だ。昨夜は庭の食用菊を飾りに添えた。華やかさもプラスされ、幸せ気分になる。ワインは辛口白ワインやスパークリングを合わせるのが好きだ。イベリコ豚の生ハムを手に入れたので、スペインのスパークリングワイン、カヴァと合わせて頂いた。先日出かけたバルセロナの旅を思い出す。
 柿は日本や中国など東アジアが原産といわれる。フランスのマルシェで「KAKI」と銘打って売られるのを初めてみたとき、かなり嬉しかった。柿の学名は「ディオスピロス カキ」といい、「カキと呼ばれる神様からの贈り物」という意味らしい(田中修「フルーツひとつばなし 美味しい果実たちの『秘密』」講談社現代新書2013)。ワインだってキリストの涙(血だっけ?)。神様の恵み、二つを合わせていただくのは、なんともありがたいものだ。

生ハムと柿

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テーマ : おうちごはん
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同窓会でタイムトラベル

2014年10月20日
タイムトラベルは可能なのだろうか?映画やドラマのなかではよくあるタイムトラベル。未来や過去を行ったり来たりできたら、どんなにいいだろうか。楽しかった過去に戻りたいと願ったり、あるいは未来の自分や家族に会いたいと思ったことはだれにでもあるだろう。小難しい理論はよくわからないが、アインシュタインの特殊相対性理論によれば理論上、未来へのタイムトラベルはあり得るとのことだ。しかし過去へのタイムトラベルは無理だという(アダム・ハート=デイヴィス著 日暮雅通監訳「時間の図鑑」悠書館 2012)。とにもかくにもタイムトラベルなんていうことは、やはり映画やドラマだけの出来事である。
 ところが、先日タイムトラベルを経験するかのような出来事があった。同級生20人近くで集い、同窓会を行ったのだ。近しい友人はともかく、同級生がこんなに多人数で集まるのはおおよそ20年ぶりのことだった。みんな微妙なエイジングを経てはいたが、それぞれの個性は学生時代そのままだった。
 予約したフレンチレストランに入ると、すでに大騒ぎ。幹事のOYが艶な着物姿で出迎えてくれた。学園祭のミスコンでジャージ姿にもかかわらず並みいる美女を押しのけて優勝したOYは、ますます美しく、同姓ながら見惚れるばかりだった。もう一人の幹事NTは、大学教員らしく「はいはい、皆さん、ちょっと話を聞いてくださーい」と、上手に場を仕切っていた。学生時代からちょっと慌てん坊のTJが遅刻してきた。スピーチを請われて照れながらしゃべる。乾杯の挨拶は、現在県職員として働くNKが「今日はお日柄も良く・・」と公務員の偉いさんそのままにまじめな講話を始めて可笑しいばかり。昔から企画上手のOTが、それぞれの人生を小冊子にまとめて配ってくれた。現在宮城県名取市に住むOTは震災後連絡不能の時があり、死亡説が流れたこともある。再会がことのほか嬉しかった。この日時間がとれなかったKEが突然顔を見せた。忙しい仕事の合間に、仕事着のまま登場してくれたのだ。昔同様快活に「元気~?元気だよ~」と叫び、そして嵐のように去って行く。IYが2万円ばかり残る古い預金通帳を見せてきた。約20年前の同窓会資金の残りをずっと持っていたのだそう。最も適任と会計を任されたIYは、横領してもだれも気づかないだろうに、ずっと律儀に通帳を管理していたらしい。幹事NTが、この日来られなかった仲間の近況を、まるで結婚式の電報披露のように流暢に語っていく。昔からそつなく集団をリードする人柄なのだ。締めの挨拶は、真面目さではだれもかなわないNH。しっかりしんみり挨拶してくれた。みんなちょっと年は重ねたが、個性はそのまま相変わらずだった。
 私達は高校を卒業して、北関東の陸の孤島のような大学・宿舎に閉じ込められた。1年間は監獄のような学生宿舎に住み、皆で公私を共にした。夜を徹してまじめな討議をすることもあれば、羽目を外して飲み明かすこともしばしばだった。そんな濃い時間を過ごした仲間なので、20年の時間が経過したことなど全く感じず、学生に戻ったかのように感じられた。学生時代の思い出話と卒後の人生をそれぞれが語り合った。みんな笑顔で語るが、仕事の苦労、震災、大病や家族のライフイベントなど多彩な人生だった。やはり20年の経過の中でそれぞれの経験を重ねている。変わりなく見える同級生たちの過去と現在の姿が頭のなかで混在していく。キラキラ輝く過去の思い出。しっとり艶めく現在までの人生の歩み。同窓会という出来事のなかで、過去と現在を行ったり来たり、タイムトラベルしたかのようだった。
 同窓会のあと、希望者数名で懐かしい大学敷地内と市内を巡ってドライブした。車内で語られる同級生の語りにまたしんみりしたり、大笑いしたり。来年、また大がかりな同窓会を企画することになった。もっともっと素敵なタイムトラベルを経験できそうである。
追越バス停前同窓会後、ドライブした大学構内 ほとんどが居住した宿舎前バス停

テーマ : 日記
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プロフィール

bordeauxlyon

Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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