まろやかな甲州ワイン アルガブランカピッパ

2015年12月29日
 さわやかできりりと日本食に合う甲州ワインが多いなか、まろやかで複雑な味わいのものに出会った。勝沼醸造が手がける、アルガブランカピッパ。エチケットもなにやら素敵な雰囲気。葡萄と樽が描かれているエチケットにふさわしい味わいだった。
 辛口だが柔らかい口当たり。微かな樽の香りが心地よい。一口目、甲州ワインの意外さに驚き、二口目、夫と二人、「これ、美味しいね!」と異口同音。柔らかながらも、芯がしっかりしている。香りや酸は少ないが、言葉にしがたい存在感。美味しかった。
 女性雑誌に、食べ物とのマリアージュを楽しむという企画で著名なソムリエが紹介していた。合わせていたのは、春菊と胡桃で作ったパスタジェノベーゼ。なるほど、菊の香りの香味野菜に負けない芯の強さを持っているだろう。私はブリを生姜醤油で下味をつけ、オリーブオイルでカリッとムニエルにして共にいただいた。春菊と胡桃はサラダにして。あらあら、私のマリアージュの方がいいんじゃないの?
 フレンチオークの樽で半年熟成し、その後瓶熟も経ているというこのワイン。きりり、すっきりとした甲州ワインとは一線を画した存在感だった。我が家の日常ワインとしては、4000円近くとかなり高価なワイン。それでもまた買いたい、と強く思った。日本ワインの可能性を感じる、素敵な出会いとなった。

アルガブランカピッパ

テーマ : ワイン
ジャンル : グルメ

懐石料理を堪能 吉兆 大町

吉兆 大根の胡麻ソース
2015年12月28日
 長野の大町市で、吉兆の夕食を楽しむのが、ここ数年の年末行事。だしの旨みがふくよかに香る品々を、今年も愉しむことが出来た。茶懐石で有名な吉兆は、本吉兆、京都吉兆、神戸吉朝、東京吉兆の4社がグループ化している。大町は本吉兆の流れにあるようだ。一時不祥事で問題になった吉兆グループだが、現在残る店舗はさすがに高級料亭として美味を提供している。高くて、私などなかなか行けるものではないが、そのなかでこの大町の店舗は訪れやすいお値段の方だろう。
 今回最も美味しかったものは、向付けの大根の炊き合わせに胡麻のクリームを添えた品。切り口がすっぱりと、いかにも良く研がれた包丁で手を入れられた大根だった。どれだけ時間をかけて、丁寧に包丁を研いだのだろう。旨みの濃いだしが煮含められ、どれほど丁寧にたっぷりの鰹節を使用したのか、想像に難くない。さらに香り高い胡麻のクリーミーなコクが渾然一体となり、本当に美味しかった。また、冬の藁葺き屋根を器にした一皿には、光陰如箭(光陰矢のごとし)の文字が添えられていた。実は昨年いただいたときも、同じ言葉が添えられていて、代わり映えしないと言えばそうなのだが、年の瀬にこの言葉を見ると、やはりしみじみと時の流れの速さを痛感して、この一皿をいただくありがたさも感じる。
吉兆 光陰矢のごとし
 ひとつひとつ、丁寧にこしらえられた懐石料理。素材の下ごしらえやだしの旨み、味わいある和食器の品々に、食を大切にする心、そしてだれかと共に時を過ごすことの悦びを感じた。年を重ねる毎に、一年一年が加速して過ぎ去るような気がしている。光陰矢のごとし。だから一瞬一瞬を大切に生きなければ・・・。お酒や会合を楽しむ「会席」料理の店も多いが、一期一会を愛しむ懐石料理のもてなしに、年の瀬をゆっくり静かな心で過ごすことが出来た。

テーマ : グルメ♪食の記録
ジャンル : 旅行

山梨 美味イタリアン

トラットリアジラソーレ
 2015年12月27日
 山梨に住む友人と、つかの間のランチタイムを過ごした。2歳年下の友人はたった2年一緒に働いた後、さっさと私のもとを去って、実家のある山梨に帰った。それでも仕事の価値観や美食巡りでウマが合い、20年以上のつきあいになる。とはいえ、最近は年に一回会う程度。今回も一年ぶり。2時間に満たない短さだったが、美味しいイタリアンと共に、ゆったり楽しく過ごすことが出来た。
 彼女の連れて行ってくれたトラットリアは、海のない県にもかかわらず、魚貝を使ったパスタが絶品だった。シェフの工夫が活きた、美味しいソースがアルデンテに茹であげられた細めのスパゲティに良く絡んでいる。
 
 私が頼んだのは、白子のスパゲティ。ボッタルガ(イタリアのカラスミ)が、黄色くアクセントに振りかけられていた。白子のコクが美味しい。
白子のスパゲティ

友人のさざえのスパゲティ。貝のペーストがソースになっているのか、旨みたっぷりのお味。もちろん一口いただいた。(そういえば私のパスタはあげなかったな・・・)
さざえのスパゲティ
 
 ぱくぱく美味しくいただいた。その間、友人は仕事での活躍ぶりを語り続ける。新たなシステムを取り入れるため、積極的に活動し、そして成果を上げたようだった。友人の活躍は、誇り高いしうれしいものだ。それでも、自分のもとを去った友人が、他の土地で活躍している姿が、ちょっぴり寂しくもある。運転のため、ワインが飲めない友人の前で、一人甲州ワインを飲み干して、寂しさを慰めた。辛口白ワインは、白子の旨みにもさざえのほろ苦さにも、どちらにもよく合った。

テーマ : うまいもの
ジャンル : 旅行

長野中信地域のワイナリー巡り

2015年12月26日
 山梨に続き、長野の安曇野・塩尻でもワイナリーを訪ねた。長野県では、2002年には原産地呼称制度を導入し、2013年から信州ワインバレー構想を掲げている。この構想のもと、県内を4つに分けてバレーの名をつけてワイン産地として振興をはかっている。このような試みは、世界のワイン産地と似ていると思う。県をあげてワインの品質確保に取り組んでいるようで、なかなかよろしいのではないか。
 今回は、日本アルプスワインバレーに位置する安曇野ワイナリー、そして桔梗ヶ原ワインバレーにある信濃ワインに出かけた。
安曇野ワイナリー

 安曇野ワイナリーは、ヨーロッパ風の垣根作りの葡萄園が拡がるワイナリー。安曇野ワイナリー 南欧風のこじゃれた建物にワインショップがある。爽やかな味わいの白ワインが魅力だった。また、飲むヨーグルトが有名らしい。なんでもサッカーの本田選手のお気に入りだとか・・・。確かにコクがあって美味しかったです。長野のお土産やワインに合うオリーブやピクルスなども販売していた。
安曇野ワイナリー葡萄

 次に塩尻に向かった。塩尻にある桔梗ヶ原は、黒葡萄メルローの産地として有名である。いくつかあるワイナリーから、信濃ワインを選んで訪れた。来年で創業100年を迎えるという老舗ワイナリーのようだ。
信濃ワイン
 さすが、メルロからできた赤ワインが数種類販売されていた。最も美味しそうなのは8000円もの値がついていて、さすがに手が出なかった。お手頃ワインでさえ、美味しかったから、高価なこちらもさぞ美味しいだろうとは思ったが・・・この値段ならやはりフランスワインを購入したい、と夫と話し合い、2000円程度のワインを購入した。こちらのワイナリーでは、地下蔵にたくさんの木樽、熟成中のボトルワイン、シャンパーニュで行うルミュアージュという手法のワインボトル置きなどが置いてあり、感激した。そして静かに流れるクラシック音楽・・・ワインに音楽を聴かせて熟成させるのだとか。幸せなワインですね。
信濃ワイン 地下蔵
 山梨に続いて、長野の高品質なワイン造りを目の当たりにすることが出来た。ますます期待できる、日本ワイン。最初から高品質のフランスワインも大好きだが、まるで新人職員から中堅、そしてエキスパートへと変化する後輩を眺めるような愉しさが、今の日本ワイン界にはある。お手軽にワイナリーを巡れるのも愉しさを増やしてくれる。今度は5月にあるという、塩尻ワイナリーフェスタ→塩尻ワイナリーフェスタHPの頃にまたこようと思う。

テーマ : ちょっとおでかけ
ジャンル : 旅行

勝沼のワイナリー巡り

2015年12月24日
 毎年恒例、冬の長野旅。往路か帰路か、どちらかで山梨に寄るのも恒例である。大切な友人に会うため、というのが一番の目的だが、ひしめくばかりのワイナリーを訪ねることも目的の一つである。今回は3つのワイナリーを訪れた。
 まず最初に訪れたのがルミエール。数年前にハイセンスなレストランも作ったワイナリーである。自社葡萄畑でつくる爽やかなワイン、甲州シュールリー→愛するワイン 甲州シュールリー が大好きで、山梨に来たときには必ずダース買いしていく。しかし今回は、売れ切れとのことで残念ながら購入できず。試飲して、似た味わいの甲州ワインを購入した。今年の葡萄で仕込んだワインは、大体半年後から販売開始とのことで、春以降にまた訪れようと思った。
ルミエール

 次は、勝沼醸造。初めてのワイナリーだ。アルガブランカという名の、ユニークなエチケットのワイン。試飲は有料なのが、少し残念。6種のワインで500円だから、さほど高いわけではないが・・・。辛口でほろ渋さの残る白ワイン、ユニークな味のロゼ、軽やかな赤を少しずつ試飲した。昼の空腹時だったから、いずれも少しずつ残してテイスティングした。ワインを注いでくれるお姉さんの表情が、ほろ渋さを助長させた。せめて試飲のワインを吐き出すことができたら、もっと心静かに味わえたのだが、残してごめん、と卑下しながら急いで味わった。甲州葡萄から作られるのに、グレープフルーツの香りがするという噂の「アルガブランカ イセハラ」は売り切れとのことだった。女性誌に紹介されていた「アルガブランカ ビッポ」とロゼを購入した。
勝沼醸造
こちらのワイナリーには、樽の飾りや有名なリーデル社のワイングラスを美術館のように展示していて、なかなか素敵なワイナリーだった。
勝沼醸造 蔵

 最後に大手酒造メーカー、メルシャン勝沼に。訪れる度に、ワインの種類が増えていくようだ。大手なので、自宅近くのスーパーで購入出来るワインもある。勝沼でしか購入出来ないワインを紹介してもらった。販売員が、嫌みでなく熱心に味の違いを説明してくれる。今回は、安曇野、山形、長野で作られたシャルドネのワインを購入。同じ品種のワインにもかかわらず、味わいが異なるという。安曇野や山形出身の友人を招いて吞み比べパーティをしようと決めた。その他、ロゼ、テイスティング用グラスなど購入。
メルシャン勝沼

 これで大体1時間。なんども勝沼には訪れているので、場所も購入ワインの目安もあらかじめ決めていた。葡萄祭りなどでゆっくり半日かけて回るのも楽しいものだが、手慣れた感じで手短に購入する自分達も、なかなかクールだねと車の中で自画自賛。大量のワインボトルをゆらしながら、友人とのランチへと急いだ。

テーマ : ちょっとおでかけ
ジャンル : 旅行

フランス女性に人気のタイツ ブルーフォレ

2015年12月21日
 最近お気に入りのフランス製タイツ、ブルーフォレ。コットンが97%という驚異的な素材感が心地よい。伸縮性も十分にある。つま先の縫い目が指先ではなく、爪の付け根あたりになるのも、着ていて気持ちよい。シンプルで定番色ながら、マットな色合いが、寒い時期には美しいタイツである。
 女性誌のタイツ特集で、必ず取り上げられる人気の品。購入を検討していたとき、たまたま入った銀座のニット製品屋「ジョン・スメドレー」で見つけて初購入。ポリエステルのタイツでは、肌がチクチクしてしまうのが、これは履き心地がさらりとしていて快適。一度でファンになり、追加購入を考えていたところ、羽田空港の待ち時間で伊勢丹ブティックで発見した。即買い。セレクトショップなどで販売しているようだが、人気で品薄のようだ。フランスでは、女性用ソックス類の売り上げナンバーワンらしい。
  外国製タイツといえば、昨年購入したピエールマントウーも良かった。色合いや透明感、大根足の私でも美脚に見えなくもない誤魔化し具合は最高である。ただしこちらはイタリア製。イタリアも好きだが、フランス贔屓の私としては、やはりフランス製品に軍配をあげたい。そう思っていたところ、このブルーフォレに出会った。タイツそのものの良さもさることながら、素っ気ないほどの外装も好みである。ピエールマントウーの外装は、びっくり仰天、お色気満載→ピエールマントウーHPで、私の太い足にはおよそ似合わない。
 対面するほとんどの人には気付かれない、品良く快適なおしゃれタイツ。フランス贔屓を身に纏い、私は人知れず、悦に入るのであった。

ブルーフォレ

テーマ : ファッション
ジャンル : ファッション・ブランド

鎌倉 原節子さんの思い出

2015年12月20日
 今年のニュースを振り返ると、思い起こされるのが、往年の名女優、原節子さんが亡くなったことだ。年代が異なるせいもあり、自分は原節子主演の映画を見たことはない。多くの人が憧れの女性としてあがめるのを、テレビや雑誌などでながめた程度。それでも大好きな古都、鎌倉にゆかりが深い人として、なんとなく記憶に残る女性でもある。
 数年前に、鎌倉の寺社巡りを一人で楽しんでいたとき、出会った初老の男性がいる。杉本寺か、報国寺か、金沢街道辺りをのんびり歩いていた時に、背の高い紳士的な男性と一緒になった。某かを経営されているという方だったが、おそらくお寺の話か何かで気が合ったのだろう、男性はその近くの浄妙寺に一緒に行かないかと誘ってきた。水琴窟と素敵な石庭があるのだという。怪しげな人にはとうてい思えず、水琴に興味のあった私は、ご一緒することにした。抹茶と共に石庭や水琴を楽しみ、話をすると、やはり気が合う。、寺社巡りはもちろん、なぜかフランスの美味、映画、ファッション、医療の話・・・妙に盛り上がった。
 その方は、原節子さんの大ファンだった。浄妙寺の近くに住んでいるはず、とおっしゃり、たぶんこのあたりの家なんだと思う・・・と、ある家に視線を向けた。まあ、であえるはずもなく、男性もさほど執着することもなく、淡々と話を続け、そしてその後鎌倉駅までゆっくりと一緒に歩いた。鎌倉から東京までのグリーン席をなぜかおごってくれ、そしてさわやかにお別れした。
 原節子さんに関わる、そんなちょっとした鎌倉一人旅でのエピソード。亡くなったというニュースを聞いて、久しぶりに思い出した。旅先で素敵な方と出会って、しばし共に過ごすことは、少しばかりの緊張感とわくわくするようなときめきがあり、楽しいことである。そんな話を夫にしたら、「初耳だ」と驚かれた。そうだっけ?
 毎年何度も訪れる鎌倉だが、今年は一度も行かなかった。来年、最初に行くときには、ぜひこの浄妙寺を訪れようと思う。 

鎌倉2010
(浄妙寺ではないが、鎌倉 某寺の苔むした庭)

テーマ : 女一人旅
ジャンル : 旅行

つくば光の森イルミネーション

2015年12月18日
 日本中がイルミネーションで輝く12月の夜。私の住む街でも、最近恒例となったイルミネーションが美しく輝いている。光の森、と題して、ペデストリアンデッキの落葉樹に、ブルー一色のイルミネーション。色とりどりのイルミネーションよりも、こうして色数を抑えたイルミネーションの方が好きだ。こころにしんと染みいり、より、クリスマスにふさわしいのではないだろうか。
 平日のこの日はおじさん達が、ずらりと並んで歩いていた。仕事が終わって帰宅するところだろう、はしゃいだカップルや家族連れでないところが、わが街らしい。ちょっぴり疲れた背中、それでも朝の出勤でみるような慌ただしさのない、静かで穏やかな後ろ姿である。どの世界も壮年期は頑張っているんだろうな・・・お疲れさま。私も、同僚も哀しき中間管理職。いろいろ闘ってます。今日は一足早く、ランチタイムにシュトーレンをみんなで切り分けてねぎらい合った。
 このイルミネーションも、恒例行事となってきた。毎年同じイルミネーションをみて、くつろぎ、そして華やぐ。ブルー一色の並木道は、未来に続くようでもあり、しんみり過去を彷彿させるようでもある。毎年見る度に、様々な思い出が積み重なっていく。こうして愛する風景となっていくのだろう。

つくば光の森2015

テーマ : 茨城県
ジャンル : 地域情報

今年のリース

 12月に入ってから、玄関の飾りを変えた。クリスマスに向けて、赤い実が映えるリースにしたのだ。庭の葉っぱを利用した、簡単でお金のかからないリース。昨年、適当に作ってみたら、なかなか素敵に出来上がったので、今年も同様に作ろうとした。
 ところが、昨年はたくさん庭にあったピラカンサの赤い実は、今年少なかった上にあっという間に鳥に食べられてしまった。今年はリボンで彩るしかないかと思っていた。だが、たまたま実家に帰省すると、真っ赤な南天の実がたわわに実っている。ありがたくもらってきた。
 そうして我が家の庭のアリゾナイトスギと、宮城から運んだ南天を組み合わせ、今年のクリスマスリースをこしらえた。形は少し歪んでいるが、シルバーグレイの葉と真っ赤な南天がなかなか素敵である。ご近所にはもっと大きくてリッチなリースや、キチッと仕上がった既製品も多く飾られているが、ラフな形のこのリースが私には一番愛しい存在である。


→昨年のリース記事
銀緑色のリース

手作りリース2015


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 優美で爽やかな感動 クリムトの「黄金のアデーレ」

2015年12月15日
 クリムトの優美で華麗な絵画をモティーフにした映画、「黄金のアデーレ 名画の帰還」→黄金のアデーレ 公式HP を鑑賞した。名画に隠された哀しい歴史と家族愛。陳腐になりがちなモティーフなのに、交錯する過去と現在の美しい風景が相成り、なかなか素敵な味わいだった。また、国家をまたいだ法廷ものとはいえ、謎解きのない単純なストーリー展開が、むしろテーマを明快に描き出していて、好もしい映画でもあった。
 ヘレン・ミレン演じるアンナと駆け出し弁護士の二人組が、ウイーン、ベルヴェデーレ美術館の絵画「黄金のアデーレ」の所有権を巡ってオーストリア政府と闘うというストーリー。 ウイーンの裕福なユダヤ人家族から、ナチスが略奪した絵画を、アンナが取り戻すまでを描く。アデーレ・ブロッホ・バウアーとその夫は、画家のパトロンで、クリムトに肖像画を描かせている。アデーレとはアンナの叔母にあたり、同じ屋敷に住んでいた。その肖像画は、家族を見守るように、華麗に優美に微笑んでいた。
 そして時代が移り、ナチスに占領されるウイーンの街。肖像画が略奪され、アンナは両親を置いて亡命へ・・・と大戦中の苦い思い出が、法廷の進展とともに交錯するように描かれる。愛する叔母の肖像画を取り戻すため、法廷で闘うアンナのきりりとした姿勢が格好良い。ファッションも素敵だった。様々なパールを使ったアクセサリー、ドレープが美しいブラウス、毅然としつつエレガントなスーツ。アンナやアデーレは、悲しみや憂いを内に秘めつつ、常に美しい。悲しい過去を見つめ、法廷で闘うというストーリーが、きらめく絵画と、美しいファッションに彩られ、品格をもたらしていた。見終わった時、優美で爽やかな感動に満たされた。
 クリムトにしては珍しく、エロスを感じさせない「黄金のアデーレ」。クリムトはアデーレ・ブロッホ・バウアーの肖像を2枚描いている。しかし、「ユディト」と題した絵のモデルもまた、アデーレという説がある。下の恍惚とした表情の絵が、そのユディト。クリムトとアデーレは、実は愛人関係にあったとも言われている。映画には描けなかった、だが、おそらく真実だろう。こちらのアデーレは、現在もウイーンのベルヴェデーレに飾られている。
 

アデーレモデル ユディト 


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テーマ : art・芸術・美術
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bordeauxlyon

Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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