初冬のカマキリ

2016年11月29日
 ちょっと怖い顔つきだけど、庭にいると楽しい昆虫、オオカマキリ。庭木に卵はうえつけられていて、確かな存在感を感じたものの、今年はほとんど見かけなかった。毎年、天然の害虫よけとして、そしてユーモラスな顔と仕草に、密かな愛着をもっているので、ちょっと寂しかった。秋が過ぎ、そして初雪も降り、いよいよ冬模様。よもやカマキリにはもう出会うまい、そう思っていた。
 ある晴天の日、庭のベンチでコーヒーかすを乾かしていた。毎日淹れるコーヒーかすを溜めておいて、冷蔵庫やゴミ箱の脱臭剤、あるいは庭に埋め込んでナメクジ除けとするのだ。穴が開きそうなほど使い込んだ、ルクルーゼの古鍋が、コーヒーかす乾燥容器。夕方にさて、取り込もうと思ったら、なんと緑色のカマキリがいた。上質なフランス鍋をお風呂のようにして、ちゃっかり居候を決め込んでいる。じっと見ていると、逃げもせず、顔や前足の鎌を丹念にお手入れする。シャッターチャンスとばかりにカメラを向けると、さりげなく目線をこちらに向ける。怖い顔なのに、やることなすことが全てユーモラスで可愛い。
 そろそろ寿命だろう・・・冬の寒さを体験しながら、少しずつ衰えていき、我が家の土となっていくのか・・・そのユーモラスな表情が、ちょっと寂しく感じられた。

コーヒーとカマキリ

テーマ : ガーデニング
ジャンル : 趣味・実用

凍える葉ボタン

2016年11月27日
 観測史上としては初めてという、11月の関東への積雪。我が家の庭も、しばしクリスマスのような美しさを見せた。赤い実のピラカンサ、もみの木みたいなコニファー、ホプシーとアリゾナイトスギに真っ白い雪が積もると、もはや12月も過ぎるのかと錯覚してしまう。
 赤や緑に白は映えるが、紫色の葉ボタンがうっすら白く凍える姿もシックで美しかった。
 凍って枯れてしまうのではないかと危ぶんだが、雪はすぐに止み、氷が溶けるとすぐに植物たちも元気を取り戻した。寒さに負けず、私もがんばろう。

凍える葉ボタン

テーマ : ガーデニング
ジャンル : 趣味・実用

柿 味比べで風邪知らず

柿 夕紅
2016年11月26日
 11月に雪が降り、例年にない寒い霜月だ。ぼちぼちインフルエンザもはやりはじめ、風邪ひきさんも増えてきた。滅多に風邪を引かない私も、用心しながら日々すごしている。
 そんななか、心強い味方は季節のフルーツ、なかでも柿が今年はとみに美味しく感じられる。馴染みのフルーツ直売所では、数種類の柿を並べて試食が可能。それぞれが異なる味わいである。
 先週買った夕紅という品種は、果実もその名の通り赤味が強く、柔らかめの果肉と甘さが美味しい。馴染みの品種、次郎はサクサクした食感、富有はしっとり柔らかく甘い。果物作り名人の直売所には、大きく太った美味しい柿が山のように積まれていて、見ていても楽しい。
柿三種 次郎、夕紅、 出荷前の柿 柿 夕べに (2)
 柿が赤くなれば、医者は青くなる・・・そんな言い伝えができるほど、栄養も豊富。ビタミンA、C、βクリプトキサンチン、カロテン、カリウムなどが含まれている。なかでもビタミンCは100g中70mg。中くらいの柿1個は150グラムくらい。ビタミンCの推奨量は100mg/日だから、柿1個食べれば、一日の必要量は軽く摂取できる。確かに、風邪予防にぴったりのフルーツではないだろうか。
 でもこんなサプリメントみたいな、栄養だけを重視した食べ方は無粋だ。侘びていく秋の風景によく映える素朴な果物。元気をくれるきれいな色と、品種それぞれの美味しさを愉しみながら、秋の味覚を楽しみたい。

テーマ : 果物
ジャンル : グルメ

菊に色づく 水戸東照宮

2016年11月23日
 月に一回の水戸出張。朝早くに仕事場に到着し、ご近所を散策した。千波湖周辺や偕楽園、重要文化財の弘道館もいつかは行きたいところだが、今回は、水戸駅前にある東照宮に詣った。小さな神社だが、絢爛豪華で、とても駅前とは思えない荘厳な雰囲気を味わえた。
 1621年に建立された、徳川家康を祀る神社。戦争後に再建されたらしいが、葵の御紋や季節の菊花が至る所にあり、壮麗だ。さすが、御三家の一つ、水戸藩の面目躍如といったところか。ちょうど大河ドラマ、真田丸では、内野聖陽さんが憎らしくも情けなく、それゆえ人間くさい家康像を楽しげに演じていて、適役ながら愛すべき人物像である。水戸藩初代藩主、徳川頼房が建立した極彩色の神社。荘厳だが、なんだか内野さんのせいで、親しみを感じてしまう。
 慌ただしいはずの平日早朝、駅前の雑踏からちょっと脚を伸ばしただけで、葵の御紋で時代劇気分を味わえた。

水戸東照宮

テーマ : 歴史・文化にふれる旅
ジャンル : 旅行

キリリ リースリング 

2016年11月20日
 11月は夫婦の誕生月。慎ましく生きるという目標を忘れ、ちょっと良いワインをいただける絶好のチャンスだ。まずは夫がプレゼントにと、私の好きなブルゴーニュの赤ワイン、シャンボールミュジニーを買ってきた。しかし、ボトルを見せて、すぐにワイン冷蔵庫に入れてしまう夫。いつ飲むの?今ではない、数年後ね、ととんだお預けを食った私。
 でも代わりに普段は飲まないワインを冷蔵庫からだした。夫の仕事土産、ウイーンで買ってきたオーストリアのリースリング。これまで何回かオーストリア白ワインをいただいてきたが、いずれもキリリ辛口で、しかも優雅で香り高い。このワインも、ヴァッハウという地方のリースリング、ということくらいしかわからないが、キリリと引き締まった味わいで大変美味しかった。我が家では、オーストリア白ワインには、チキンのシュニッツエル風を合わせるのが定番。胡椒とカボスで味を引き締めたチキンと、このワインはぴったり。
 お安いお肉をちょいと工夫して美味しく調理した普段ご飯と、お気に入りのワインがある日々の食卓。美味しいね~と笑顔で視線を合わせて、また当たり前の幸せの食事が積み重なっていく。

オーストリア リースリング

過去のオーストリアワイン→
プラガ- グリューナー・フェルトリーナー
ヴァッハウ リースリング
プラガ- リースリング
グリューナー・フェルトリーナー

チキンのシュニッツエル風
チキンのシュニッツエル風

テーマ : ワイン
ジャンル : グルメ

女性への愛を伝承 ルノワールから梅原龍三郎へ

2016年11月17日
 「拝啓ルノアール先生」と題した、梅原龍三郎とその師ルノアールの絵画展をみた。ルノワールの温かく慈愛に満ちた女性の絵は大好きだ。大胆なタッチと色使いの女性を描く梅原龍三郎が、ルノアールに学んだことを、恥ずかしながら今回初めて知った。二人の絵画を比べるように眺めて、師弟の温かい交流も感じることができた。
 ポスターにもなっている「パリスの審判」の比較が面白い。パリスの審判とは、3人の女神から最も美しい女神を選ぶというギリシア神話の有名なモチーフだ。3人の女神は、戦での勝利、富と名声、1番の美女とそれぞれが賄賂を提供して美神の栄光を得ようとするのだが、パリスが選んだのは、美女を与えてくれると約束したアフロディーテ。賄賂で栄光を得ようとする三女神も滑稽だし、美女を選んでしまうパリスも愚かしいな・・・と、私は自分の浅はかさを棚に上げて、ギリシア神話のこのエピソードを楽しんでいる。人間の愚かさ、浅はかさを、かくも優美なエピソードにするギリシア神話が愛しい。
 ルノワールは、このエピソードをふんわりあたたかタッチで、優美に描いている。梅原の絵、構図が全くルノワールと同じところに、師への敬愛を感じる。大胆なタッチ、鮮やかな色使いで、女神の持つ雰囲気はあまり優美とは言えないが、むしろ賄賂で栄光を得ようとするおかしみはいや増して感じられる。それでいて、やはり女性への敬愛も感じられる。ルノワールの女性像には、いずれも温かい愛情を感じるが、そうしたテクニカルなものではないもの、伝承しにくいものだと思う。そんな情感がこの師弟関係では、しっかりと受け継がれているのだなと、なんだか温かい気持ちになった。
 

拝啓ルノアール展

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

鳥取米子の旅④ 日本海と皆生温泉

日本海
2016年11月14日
 米子での仕事を終え、すぐに会場を飛び出た。「皆生温泉に行って、日本海を見ながら温泉につかりましょう!」同行する先輩に向かって叫んだ。ガイドブックで目星を付けておいた旅館にすぐさま電話し、この日の日帰り入浴営業を確認した。電話の対応も気持ちよい、「華水館」にバスで向かった。
 バス停から少し歩くと、どどーんと波しぶきが散る日本海!映画のようだ。女二人で「おお~!」と興奮の声をあげた。盛り上がってきた。少し砂浜を歩くと、趣ある背の高い松林に囲まれた目当ての旅館が見える。さっそく日帰り入浴の申し出をして、館内に入る。大きな窓から、やはり松の木と海が一望できる。開放感あるつくりだ。
 華水亭外観 皆生温泉 華水亭
 残念ながら、風呂は松林で外から見えないように目隠しされ、そのため日本海を眺めながらの入浴をするには、いちいち湯船から立ち上がり、しばし潮風をうけるという状況。それでも何度も立ち上がり、波しぶきを眺めては、湯船に浸かる・・・を繰り返した。あったまるんだか、冷やすんだか、わからない入浴タイムとなったが、頑丈な私の身体はホカホカとあったまり、景色を楽しんだ歓びでいい気分。楽しい温泉時間となった。
 
 嬉しい後日談があった。旅のあと、仕事場に一冊のサプライズが届いた。一緒に旅した先輩から、旅の写真をフォトブックに仕上げた一冊をいただいた。街中の鬼太郎、美しい足立美術館、仕事で行ったプレゼン場面、皆生温泉や日本海、そしてl帰路で眺めた神々しい富士山・・・共に楽しんだ景色が、素敵にレイアウトされて一冊のアルバムにまとめられていた。なかにはすっかり寛いではしゃぎ、浮かれて微笑む私の姿。顔があまり見えない写真のページは、バックの景色が良すぎて、我ながら旅雑誌のモデルさん?と見誤る素敵な仕上がり。うれしくて、一日職場で大騒ぎ、周囲の人々に見せまくってしまった。
 見なれぬ遠い街の旅も楽しかったが、仕事上の価値観を共有してきた先輩との旅は、心から愉しむことが出来た。まして、旅の後にサプライズのプレゼントがあれば、感激もひとしおである。
日本海と女

テーマ : 歴史・文化にふれる旅
ジャンル : 旅行

鳥取米子の旅③ 街歩き

国道9号沿いの銀杏
2016年11月13日
 米子は仕事の都合で訪れたのだが、その合間に2日間、各小一時間ほど歴史と風情を感じながら、街歩きをした。
 まずは初日のお散歩。宿泊した全日空ホテルからすぐ近くにある米子城跡を歩いた。ホテルを出てすぐにある国道9号線には、色づいた銀杏の木。その向こうにある小山に城跡がある。麓に行くと、散歩コースの紹介がある。どうやら石仏がたくさん山にあり、それをめぐりながら軽い登山ができるようだ。石仏を眺めながら、階段を一歩一歩、歩く。
米子城跡 石仏めぐり 米子城跡 階段
 
 頂上に本丸跡がある。そして米子の街や中海、遠く境港辺りや日本海も見えた(ような気がする)。登山の苦労を忘れさせる眺めだ。
本丸跡 本丸跡からの眺め

 二日目は、加茂川沿いの街並みを楽しみながら、平らな道をお散歩。毎日行っている朝の散歩だが、景色が違うとわくわくしてとても楽しい!
米子街歩き 加茂川沿い
 回船問屋、後藤屋住宅跡。戦国から江戸時代に米子にあり、栄えた問屋らしい。国指定重要文化財。そして煉瓦造りの旧市役所。現在は歴史館となっていると、立て札にある。こちらは市の有形文化財となっている。江戸時代には、城下町、商業都市として栄えた街、米子。歴史の一端を垣間見た。
米子街歩き 後藤 米子街歩き 市役所旧館

 本当は白壁作りの土蔵や、昔ながらの駄菓子屋さんなども街中にはあったようなのだが、残念ながら雨が降ってきたのでここで退散。近代的なホテルに戻り、朝風呂で温まることにした。雨に濡れはしたが、古い街並みには陽光よりもグレイの空がよく似合う。仕事の合間の、ささやかな散歩を満喫した。

テーマ : 歴史・文化にふれる旅
ジャンル : 旅行

鳥取米子の旅② 足立美術館(島根県安来市)

足立美術館
2016年11月12日
 米子に到着し、すぐに出かけたところ。それは、隣県島根の安来にある、足立美術館→足立美術館HP。庭園が美しくて有名な美術館だ。横山大観ら、日本画家の所蔵も多い。何としてもこの美術館にだけは行きたい。そう熱望し、遅れた航空会社に文句を言いながら、米子駅でタクシーに乗った。(本当は電車とバスで行きたかったが、利便が悪かったのであきらめた。)
 閉館一時間前に到着したので、慌ただしく拝観した。それでも手入れの行き届いた日本庭園は、驚愕の美しさだった。いったい毎日どれほどの手入れを繰り返しているのだろうか。そして、どんな思いで、多くの樹木の命を輝かせているのだろう。多数いるであろう庭師の方に、心から賞賛である。
 庭の向こうの小山には、目をこらすと滝も見える。切り立つ岩肌に見える、一筋の滝が、手前の美しい丸みを帯びた樹木と対比され、造形された中に自然の美を見いだした。
 館内には、二つの茶室もあり、有料で見学と一服の抹茶がいただける。京都、桂離宮にある茶室、松琴亭を模した茶室である。侘びた風情を醸し出す、灰色の壁は、菜種油を混ぜ込んだ土壁だそうで、外壁は鉄を混ぜ込んで灰白色に仕上げているのだとか。襖の意匠は鮮やかな青の市松模様。小さな茶室の掛け軸は、伊達政宗が茶会を開くための書状(招待状みたいなものか)を装丁したものだそう。茶庭も美しく、現在茶道の稽古に熱中している私には、とても貴重な体験だった。
足立美術館 茶室 足立美術館 襖デザイン 茶室 伊達政宗筆

 足立美術館 動く絵

 刻一刻、春夏秋冬のそれぞれを、庭園で現した風雅な美術館。さすがは日本一と謳われる庭園だ。感動!

 

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

鳥取米子の旅①


2016年11月9日
仕事の都合で、鳥取県米子市にやって来た。思い立ってはなかなか訪れない、山陰の静かな街だ。海にほど近い、かつての城下街。隣町、境港はゲゲゲの鬼太郎で有名な漫画家水木しげるの故郷だ。空港では鬼太郎ファミリーが早速のお出迎えである。ユニークな旅になりそうだ。
プロフィール

bordeauxlyon

Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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