有次のアルミ鍋

調理器具や文房具が好きだ。作業を効率よく、かつ上質に仕上がるように工夫されているものに惹かれる。そういうものは、たいてい姿も美しい。
毎日の調理に必ず使うのが京都の錦市場にある老舗、有次の厚手アルミ鍋だ。行平鍋のようにアルミを細かく波状に打ちたたき表面積を増やすことで熱伝導率を上げている。よくある雪平鍋は片口で、柄は木製のことが多い。
柄もアルミでできたこの鍋はかれこれ15年ほど前に友人が結婚祝いとしてプレゼントしてくれたものだ。野菜をゆでたり蒸したり、とにかく毎日使っている。やや重いが丈夫で美しい。柄を持つときには鍋つかみが必要で、この点が柄が木製のものと違う。使い慣れない人が調理を手伝ってくれたときには、危うくやけどをするところだった。私は柄が木製の雪平鍋も持っているのだが、木製のものはねじで装着しているから、緩んでくると修理に出さねばならない。そういう理由から私はアルミ製のものを多用している。

京都 有次のアルミ鍋

友人は京都が好きで、葵祭、蹴鞠、そして季節の花々を堪能しに年に数回も京都の旅を楽しんでいた。彼女もやはり有次のファンで、お互い少しずつ買い足して自慢しあっていた。私も京都は好きだし、情報交換が楽しかった。毎日この鍋を使うたびに、この友人との交流を思い出す。よき道具には、使ううちに思いや大切な人との交流も積み重なっていき、単なるモノから大切な道具へと変化するものだと思う。

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bordeauxlyon

Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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