働く姿の魅力

2014年7月14日
 今日もよく働いた。働くことは疲労やストレスにもなるが、楽しくも自己実現や成長の場であり、生きがいである。多くの人々と複雑な関係を築く場であり、収入源であり、定職を持たないと多くの場合心理的にも不安定なものだ。働く、仕事、労働。似たような言葉もそれぞれ意味が微妙に異なるように感じる。でもまあ、どの言葉であっても多義的なことには変わりない。プロフェッショナル、というNHKの番組を時々みるが、人それぞれに自分の仕事に誇りと意味を見いだして生きているようだ。例外もあるだろうが、多くの人が働くことに生きがいを感じ、コツコツ仕事をすることが好きなのだと思う。
 1週間前、国立がん研究センターに出かけた。「がんと就労」に関する意見交換会に参加するためだ。今の自分にとって、大きなテーマの一つががん患者の就労支援である。多くの壮年期がん患者が、働くことと闘病の板挟みで悩んでいる。あるいは治療に専念しようがために退職し、のちに生きがいの喪失や経済的な困窮に苦しむ。今朝の朝日新聞社説にも「がんと就労」が取り上げられていて、これで社会的な認知が高まるのではないかと感じた。今、がん患者の就労支援に厚労省も力を入れている。http://www.cancer-work.jp/
 地下鉄の築地市場駅を通ってがんセンターに向かうと、駅構内に大胆な構図、色合いの浮世絵が壁面に飾られていて圧巻だった。片岡球子の「浮世絵師 勝川春章」だった。なかでも針仕事をする女性の姿に目を奪われた。初めてみる浮世絵で意味はよくわからない。ただ、仕草のすっとした表情に、働くことへの真摯な姿勢を感じて小気味よかった。この針仕事は誰か他の人のためかもしれない、自分のためかもしれない。家庭の中でのごく日常を描いたもので、収入源とか組織の中で働くこととは違う仕事かもしれない。遊女かもしれない。それでもやはり、コツコツと働くことは、生きる意味や姿勢に繋がることのように感じる。
 絵との出会い、感ずることは人それぞれだし、同じ人でも置かれた状況やタイミングで感じ方は違う。この、人が働くことの意味を考えたい日に、真摯な姿で仕事する絵と思いがけず出会い、その偶然に一人で喜んだ。

面構(浮世絵師 勝川春章)

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Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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