歌川広重の東海道五十三次

2015年3月23日
 実家への帰省途中、偶然立ち寄った美術館で素敵な版画と出会った。歌川広重の東海道五十三次である。
 栃木県那珂川町馬頭広重美術館はごく小さな美術館。だが木製の天井が拡がるエントランスから、明るい緑色の竹林が見える。さわやかで落ち着いた、心安らぐ建物だ。そこで今回、たくさんの広重作品を眺めることができた。
 これまで浮世絵にはあまり興味がそそられなかった。だが、この素敵なたたずまいの建物でじっくりと鑑賞したら、そこに描かれる人々のユーモラスでかわいいこと。シックな色合いもいい。なんとも粋で魅力的なイラストのようでもある。東京から京へと向かう旅人が生き生きと描かれている。浜松を始め馴染みの静岡各地で、たばこを吸おうとするひと、ごろりと木の根元で休息する人、旅籠に呼び込みをする女性(「御油」)などが描かれている。恋するような気持ちで夢中になって眺めた。 
 展示目録を確認すると、行書東海道と記されている。東海道五十三次のなかで最も有名なのは「保永堂版」で天保4年頃に出板されたようだ。後に広重は約20種類の東海道シリーズを制作し、その中のひとつが行書東海道と呼ばれる、今回私がみた版画のようだ。目録によれば、天保12~13年に制作されている。あとで保永堂版を本で確認すると、同じ「御油」でも描かれているものが違う。東海道五十三次には、様々なバージョンがあるらしく、比較するのも楽しそうである。
 旅する人々の生き生きした姿、旅の風景、シックな色合い。これだけでも十分魅力的なのに、バージョン違いで異なる絵柄を比較味わうのもまた楽しそう。広重の浮世絵探索、堪能をするために、東海道新幹線に乗って旅したくなった。

広重美術館

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Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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