かわいい雪佳の金魚玉 

2015年5月19日
 日本橋高島屋で開催された「京都・細見美術館 琳派のきらめき」展に出かけた。今年で400年となる琳派。宗達や光琳が有名だが、最近注目していた神坂雪佳の作品が多数出品されているのに惹かれて、混雑する会場に入った。
 花々や動物たちを美しく、かわいらしく描いている絵がたくさんあり、たいそう楽しめた。そう、琳派の絵の特徴は、単純化とか装飾性とかいろいろ語られるが、なんといっても「かわいい」のだ。三戸伸惠さんによれば、この「かわいい」という直感的な感性が、古くは枕草子の「うつくしきもの」から、最近のアニメや漫画、果てはスマホのデコにいたる「カワイイ!」に通じる日本人の美意識や情趣の根底にあるのだという(「かわいい琳派」東京美術 2014)。
 圧巻は、金魚の顔を正面からとらえた「金魚玉図」。朱色と薄茶色の混じったほのぼのユーモラスな金魚の表情が、最高にかわいい。ゆらゆら揺れながら、こちらをじっと見ているようで、おもわず「きゃー、かわいい!」と叫びたくなる。この絵が最近のアニメーションではなく、明治末期の京都で描かれたなんて、楽しい驚きである。
 光琳の天才的でデザイン画のような「紅白梅屏風図」「燕子花図」は、いわずもがな、琳派の最高傑作だと思うが、こちらの金魚だってクールジャパン代表傑作ではないだろうか。愛すべきかわいい金魚。周囲が葦簀のように描かれていて、涼を感じさせるのもまた、粋である。


神坂雪佳 金魚玉図


琳派関連記事→
1)東京博物館 吉野山図屏風 渡辺始興
2)京都 養源院 俵屋宗達 杉戸絵
3)東京博物館 京琳派 風神雷神図
4)MOA美術館 尾形光琳 紅白梅屏風図・燕子花図
5)根津美術館 光琳燕子花図×丸山応挙藤花図

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

bordeauxlyon

Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
フリーエリア
フリーエリア
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR