オマージュに満ちた映画 ボヴァリー夫人とパン屋 

2015年7月16日
 フランス映画、「ボヴァリー夫人とパン屋」→ボヴァリー夫人とパン屋 公式HPをみた。なかなかに楽しめた。ノルマンディーののどかで美しい風景、いかにも美味しそうなフランスのパン達。そして何より過去の様々な映画や絵画を彷彿させるエピソードや場面が楽しめた。
 退屈な生活に飽きた女性が不倫にハマっていき、破滅を招く「ボヴァリー夫人」という小説。その「ボヴァリー夫人」に、隣人の魅力的な妻ジェマ・ボヴァリーを重ね、彼女の情事を垣間見、エロスの妄想に耽っていき、そして何かとお節介をやくパン屋の主人マルタンというのが、この映画の筋。
 過去の様々なフランス映画や絵画を思い出しながら見た。例えばマルタンがジェマを見つめるまなざしに、ルコント映画の「仕立屋の恋」、情事を垣間見る罪深くも抑えられない好奇心のまなざしに、ルイスブニュエルの「昼顔」、ジェマが夜、暖炉の前で物憂い顔で佇む横顔は、ジョルジュ・ラ・トウールの絵画「マグダラのマリア」、ふっくらした唇でパンを味わう姿に、美味な”食事は一種の情事”という映画「バベットの晩餐会」→バベットの晩餐会(デンマーク映画だが、主人公はフランス革命から逃れてきたフランス料理人)、と過去にみた魅力的な映像や絵画を思い出した。監督がこれらの作品にオマージュを捧げたかどうかはわからない。だが私は、いずれもかなわぬ恋を切なく官能的に描いたこれらの作品と、この映画のシーンを重ね合わせた。これらに比べると、マルタンが思慕するジェマはあまりにも情欲にのまれすぎて情緒にかけていたと思う。もうちょっと抑圧されたなかに情事が描かれた方が素敵だと思うが・・・。でもまあ、ラストシーンとかはユーモラスで、なによりおじさま好き・フランス贔屓の私としては、マルタン役が可愛らしくて素敵だった。
 あとで調べると、ちょっと太めの主人公ジェマを演じた女優さん、過去に「007慰めの報酬」にボンドガールとして登場している。全裸の皮膚にオイルを塗られ殺されるという役で、これは007ゴールドフィンガーへのオマージュシーン。これまた官能的なシーンで印象的。だいぶ太りましたね。ともあれ、見終わった後も、様々な名シーンを彷彿させてくれる楽しい映画だった。

ボヴァリー夫人とパン屋

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No title

この映画、私も観たくて・・・
神戸ではまだ8月公開としか出てませんでしたが
今から楽しみです。

事前にこの投稿にでているフランス映画も
借りて見てみようと思います。

Re: No title

くららさん

コメントありがとうございました。

神戸にもたくさん美味しいパン屋さんがありますよね。
豊かな香り、深い味わいのパンと共に、
ぜひ、神戸で楽しんでくださいね。

ご覧になったら、くららさんもぜひ記事にアップしてください。
お待ちしております。



> この映画、私も観たくて・・・
> 神戸ではまだ8月公開としか出てませんでしたが
> 今から楽しみです。
>
> 事前にこの投稿にでているフランス映画も
> 借りて見てみようと思います。
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Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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