利休の境地

2014年4月23日
 今年最初に映画館でみた映画は「利休にたずねよ」だった。今年亡くなった山本兼一さんの同名小説(PHP文芸文庫)を映像化した作品である。良かった小説の映像をみるかどうかは結構な悩みどころだと思うが、一級品の茶道具が使用されたモントリオール世界映画祭受賞作品ということもあり、期待して鑑賞した。傑作だったと思う。それにつけても千利休の生き方は強くも切なくはないだろうか。常人にはなかなかできない潔さだろう。自らの信念、美学に迷いなく従い、死をもいとわない。だれでも人間は状況に流されやすいものだ。言葉を変えれば、変化する環境に折り合いをつけながら生きていくものだと思う。良きにつけ悪しきにつけ、適応してしなやかに生きるのが賢明なことと思っている私には、利休の生き方は切なく感じられた。
 日々の暮らしの中では、自らの信念や美学にそぐわない事象にも頻回に遭遇するものだ。利休のようにまっすぐに生きることができなくても、少しでもその哲学に近づきたいとも思う。今日は静かに薄茶を点てた。ちょうど茶道でよく用いられる椿も剪定したので添え、日々の喧噪を忘れてしみじみしながらいただいた。

抹茶と椿

テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

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bordeauxlyon

Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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