梨の品種、時代巡り、味比べ

2015年9月3日
 なし農家の方から、今では珍しい品種の「長十郎」という梨をいただいた。子どもの頃に食べた記憶がある古い品種である。調べると、明治時代に発見された丈夫な品種で、二十世紀やその後の幸水、豊水などが生まれる前には、作付面積が一番だったらしい。味がよい幸水や豊水が台頭してからは、ぐっと減ってしまったようだ。丁度今、茨城の梨農家では幸水が終わり豊水に移行する時期である。長十郎が実る今、これら三品種を同時に味比べする機会を得たわけである。
 梨農家の方が教えてくれた。梨は自家不和合性という性質を持ち、同一品種間の受粉では結実しない。そのため、いくつかの品種を順繰りに植栽しているのだそう。長十郎は一列だけ植えている、といっていた。なるほど、貴重な体験。簡単に手に入る品種ではないのだ。明治から昭和にかけて、時代の経過と共に変わってきた梨の人気品種。それらを同時に味わえる幸運が嬉しい。
 あまり味は良くないよ、と言われたものの、長十郎は甘みたっぷりで、豊水よりも更に甘いほどだった。ただ、果肉の食味はかなり荒いざらざらとしたもの。水分がしたたり落ちる繊細な食味の幸水、なめらかな食味の豊水とはだいぶ異なる。それでも昔懐かしい品種である長十郎をいただく体験は、だれにでもあるわけではない。味比べを楽しんだ。
 
梨 味比べ

テーマ : 果物・フルーツ
ジャンル : グルメ

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bordeauxlyon

Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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