クレオパトラの魅力

クレオパトラ展
2015年9月24日
 古代エジプト史上で最も有名な美女、クレオパトラ。大盛況のうちに会期終了したクレオパトラとエジプトの王妃展は、なかなか楽しかった。一体なぜ、こんなにも古代エジプト人の生き方に人々は魅了されるのだろうか。特に、多くの人がクレオパトラの魅力に引きつけられるのは、悲劇的な最期のためか、それともドラマティックな恋愛ゆえのものなのだろうか。
 偉大な王ラムセス2世の妻ネフェルタリや、堅実な良王ハトシェプスト女王、美女として有名なネフェルティティなど、古代エジプト史上には魅力的な女性があまたいる。それでもやはり、最も知名度があるのはクレオパトラだろう。ローマの権力者二人を虜にした悪女として描かれることもある。クレオパトラは鷲鼻にとがった顎を持ち、さほど美女ではなかったという。それでもこの展覧会でお目見えしたクレオパトラは、いずれも美女ばかり。会場に入ってすぐにあるダニエル・デュコマン・ドウ・ロクレ作のクレオパトラ像は、ゆったりしたドレープも美しい衣に身を包んだ、丸みのある姿態の美女で、同姓ながら思わず心を奪われた。
クレオパトラ マルセイユ美術館
 クレオパトラの像の後には、カエサルやアントニウスの頭部像、有名なアクティウムの戦いのレリーフなどが展示され、クレオパトラの人生をゆっくりとたどりながら作品を鑑賞することができた。そして最後にクレオパトラの死を妖艶に描いた絵画。こちらも真っ白な肌の裸体が輝き、毒蛇に噛まれて死ぬ壮絶で哀しい場面ながら、うっとりするような美しさを醸し出していた。
 決して美女ではなかったというクレオパトラ。豊かな教養と巧みな話術によって、多くの人を魅了したという。包まった敷物からくるくると現れてカエサルの前に登場したり、薔薇を敷き詰めた部屋に男性を導いて愛を交わしたりと、小粋な演出を恋愛に活用した。美女ではなくても、会話を縦横無尽に膨らませ、一緒にいればときめきを感じる、そんな女性だったのではないだろうか。内面から輝く魅力が、古来から多くの芸術家や小説家を刺激し、それが外観の美しさへと創造を駆り立てたのだろう。
 安易な美容整形や化粧に走りがちなイマドキ女性に、クレオパトラの魅力の源泉を語り聞かせたら、どんな反応をするのだろうか。そんなことを考えながら、展覧会を巡った。

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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

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のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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