宮城の誇る萩、ミヤギノハギと「萩の月」

2015年9月28日
 庭のミヤギノハギが満開だ。白萩、紅色の萩、二種のミヤギノハギを植えている。今年はことに白萩が美しく咲き乱れている。小さいが、マメ科らしいふっくらした花が愛おしい。蜜もあるのだろうか、たくさんの蜂や蝶もやってきて、一生懸命に花に潜り込んでいる。そうすると枝がゆらゆらと揺れ、風情が増す。蟷螂やウスバカゲロウも頻繁に卵を植え付けていて、様々な生き物が萩のもとで生をはぐくんでいる。萩の咲く庭にいると、自然の豊かさに満たされて、幸せな気分になる。
 ミヤギノハギは、その名の通り、わが故郷、宮城県の県花である。野原には自生し、母校にもたくさんのミヤギノハギがあった。幼い頃の秋の思い出は、いずれも萩の美しさに彩られている。特に小学校の校庭には、生け垣のようにぐるりと植えられていた。校舎が老朽化して建て替えられたときに、ほとんどが処分されてしまって、今はもうないのが寂しい。
 自分で実際に植えてみると、その生命力の強いことに驚かされる。ほんの数十センチで購入した二本の苗木は、今や2メートルほどにも成長している。梅雨の頃にだいぶ剪定するのだが、みるみる伸びて、やはり私の身長を遙かにしのいでしまう。頭上でゆらゆら揺れる萩をみると、強くしなやかに生きなさいと言われているような気になる。

 宮城県が誇る銘菓には、「萩の月」という素敵な名前がつけられている。類似品も多く出回るが、素朴なカスタードクリームの優しい甘さ、ふんわりしたスポンジ生地の美味しさは、萩の月ならでは。冷凍しても、レンジで温めても美味しい。お土産に差し上げると大変な歓迎を受け、必ず「宮城県のひと」と印象づけられて効果的である。一昔前は、製造工場でスポンジが破れてしまったというパック詰めの「萩の月パンク」が安価で売っていて、自宅で食べる分に重宝していた。チョコレート味の「萩の調(しらべ)」というのもあったが、こちらは最近みない。萩の月とチョコレート、両者を愛する私としては、ちょっと中途半端な味に感じられ、あまり好きではなかったが、それでもお土産には2種詰め合わせてもらったものである。三全の店舗で聞いたら、震災で工場の製造ラインに不具合が生じ、製造不能になったとか。再製造の予定もないという。もともと萩の月に比べると、人気もなかったのだろうが、そういった事情を聞くと、無性に寂しくもある。丈夫な植物の萩のように、萩の調も復活して欲しいなと思う。
 

ミヤギノハギ 2015

テーマ : ガーデニング
ジャンル : 趣味・実用

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bordeauxlyon

Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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