華麗で優美な装飾 永樂の器展

永楽展
2016年3月14日
 京焼の家元、永樂の展示会が、高島屋で行われている。チケットをいただいたので、観に行くことにした。とはいえ、実は京焼のきらびやかさはあまり好みではない。展覧会の感想を求められる関係で鑑賞に出かけた次第である。ところが、華麗なだけではない美しさに心をとらわれてしまい、実に魅力的な展覧会だった。
 室町時代から続き、茶道の千家十職という格式の高い永樂。華麗な装飾、優美な色合い、いかにも京焼の雅な器達が並んでため息もの。さりとて、好みで言えば萩焼や志野の楽茶碗、織部のような深い緑や黒の器を好むため、絢爛豪華で繊細、貴族的な京焼とは、いささか波長が合わない。食傷気味の時、ふと心ひかれたのは14代、得全の作品たち。なんとアールヌーボー風の絵付けが施されている。優美で装飾的な曲線で牡丹が描かれた茶碗は、ガレのガラス工芸を彷彿させる。生物の揺らめくエネルギーを感じさせるような美しさだ。
永楽14代得全牡丹絵茶碗
 得全の他の作品も、やはりアールヌーボーの影響を感じさせる。得全は1852年に生まれ、1909年に亡くなっている。ガレが生きたのは、1846年から1904年。ほぼ同じ時代に生きた、日仏の芸術家。よもや永樂展でガレの作風を思い出すとは意外な楽しい驚きだった。
 どんなに華麗で装飾性が高くとも、植物の持つその一瞬の美しさを描き出そうとしていることは間違いない。日仏の美の感性が幾重にも重なり合い、優美さを纏った一腕。これで一服いただいたら、御抹茶がさらにふくよかに味わえそうだ。まあ、高価すぎて、凡人にはかなうことのない一服だが。


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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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