田植えに思う人生

2014年5月13日
 めずらしく太陽が沈まない時間に帰宅できたので、夕暮れの中近所の散歩ができた。自宅のある住宅街は田んぼや畑に囲まれている。ちょっと歩けば豊かな風景を満喫することができるのだ。茨城では丁度連休の頃が田植えの季節である。近所の田んぼには小さな苗が植えられたばかり。遠くに筑波山もよく見える。
 私は生まれが宮城の米どころのせいもあり、田んぼをみると無性に落ち着く。茨城もコシヒカリなどの美味しいお米をたくさん作っている。知人には米農家の人々も多い。皆、米作りが日常であり、人生そのものの人たちだ。早春から苗を用意し、苗代かき、田植えが済むとまずは一段落。天気や病虫害の心配をしながら見回る毎日。そして秋の稲刈りという一大イベントが済むと、しばし静かで長い冬が到来する。稲作の一年は、ひとの生老病死のサイクルにも似ている。
 今日は抗がん剤の治療を長く続けている女性と話す機会があった。彼女も稲作農家の女性だ。治療を続けながら忙しく働いている。稲刈りと田植えの時期には抗がん剤治療の休止を考えるほど、米作りが大切な女性だ。「働き者とか、そういうのじゃないよ。やるしかないんだよ。だって農家なんだもの。」カラカラと笑い飛ばしながらこう言う。幸い息子家族の支援もあり治療を続けられたそう。あと少しで誕生日を迎える。がんと共に生きながら年齢を重ねる喜びはひとしおだろう。夕暮れの中、筑波山の麓で稲作の人生を歩んできた女性の笑顔を思いだした。

 つくばねの里の田んぼに水満ちていざ始まらん米作りの日々 aya

筑波山と田んぼ

テーマ : 茨城のなんでもあり
ジャンル : 地域情報

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Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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