月は手の内にあり 秋の茶会

2016年10月8日
 虫の音が響く夜、秋の茶会に参加する幸せを得た。昼間行う正午の茶事ではなく、夕方から夜にかけて、少しずつ日が暮れていくなか、秋を感じ、静かで含蓄ある時を過ごすことが出来た。
 曼珠沙華や萩が咲き乱れる秋の庭。テーマである「月」が、至る所に存在していた。茶会の主役は禅語の掛け軸だが、「掬水月在手(みずをきくすれば、つきてにあり)」何か行動することで、結果が得られる、と後で調べた「やさしくわかる茶席の禅語」(世界文化社)にはあった。ご亭主の先生は、「手に入らないような遠くにあるように思えるものでも、案外身近にあるもの、全て心がけ次第なのです」とニコニコと笑っておっしゃる。仕事に、毎日の生活に、己の勝手で不全感を感じることもあるものだ。緩んだ心を、きりりと引き締める言葉であった。美味しいお菓子や抹茶、そして心づくしの懐石料理をいただき、暖かいおもてなしの心を感じる。そして茶杓というお道具の銘は、「善哉(よきかな)」。大変なこと、粗末なこと、様々なことがあっても全て「よきかな」と、やはり暖かい笑顔でお言葉を賜った。そう、全て自分の心がけ次第で、人生は良い結果となり得る。
 秋の草花、闇夜に輝く月や灯火。静かなおもてなしの時間に、さりげなく日々の生き方を問われた。感動的な茶事。


夕ざりの茶会曼珠沙華 夕ざりの茶会

テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

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bordeauxlyon

Author:bordeauxlyon
のびやかな筑波山の麓に在住。ガーデニングとワイン、旅が生きがい、そして趣味は美術館巡りと短歌です。
美しい花や自然、アートに満たされた日々で、心地よい豊かな日々を過ごしたいと思っています。
花と画家のなかでも大好きなクレマチス、マティスを冠して、日々の暮らしについて語ります。

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